「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど・・・」
「今〇〇のことで悩んでいてさ・・・」
こんなふうに誰からから相談されたことはないでしょうか。
本来、相談されるのは良いことです。
相手がこちらを信頼している証拠の一つと言えます。
しかし、相談内容が自分の知識や能力の範囲外だと知るや、
「ごめん、それはよく知らないから何にも言えないなあ」
「誰かもっと詳しい人に聞いてみたら?〇〇さんとか」
などと言っていないでしょうか。
必ずしも間違った対応ではありませんが、親切な対応かというと少し考える余地がありそうです。
今回は相手の悩みを解決する力がなくても、親切さで状況を改善することができる事をご説明します。
「相談に乗る資格」という誤解
そもそも「相談に乗るにはそれなりの資格が必要」という誤解がないでしょうか。
広く誤解されている資格の例としては次のようなものがあります。
【誤解1】答えを持っている
相手の相談内容に対して、正しい答えを持っている必要がある。
一見正論のように見えます。
しかしちょっと考えてみてください。
そんなに簡単に「答えはこれです!」といって解決するのであれば、自分で調べるなり勉強するなりして終わるのではないでしょうか。
単純な知識や情報の問題ではないから、相手は相談してきているのです。
答えを持っているかどうかは、あまり重要なポイントではありません。
【誤解2】能力や経験がある
問題解決のための能力や経験は必要でしょうか。
確かにそれらがあれば、対策を実行する際に役に立ちそうです。
ただし能力や経験を相談してきた相手に分けてあげることはできません。
情報や知識、コツやポイントという形で伝えることはできます。
しかしそこから本人が頑張って対応しなくては、問題は解決しないのです。
一時的に困難を肩代わりしたり、軽くしたりすることはできるでしょう。
でもこちらがずっと助け続けるわけにはいきません。
相談を通じて、相手が一人で何とかできるようになる必要があるのです。
【誤解3】仲が良い・親密である
相手とそんなに親しい間柄でもないのに、深い話を聞いても良いものだろうか。
そうした思いは誰でも持つものです。
仲が良かったり親密な関係でないと、悩み相談など受けてはいけない。
果たしてそうなのでしょうか。
反対のことは考えられないでしょうか。
つまり「親しいからこそ話したくないこともある」ということです。
親しい人だと、
「心配させてしまうかもしれない」
「恥ずかしくて言いたくない」
ということもあるでしょう。
相談に親密さはあまり関係ないのです。
それよりも、
「この人になら話してもいいな」という信頼感の方が遥かに重要です。
親切な相談の乗り方
では信頼に応えられるような親切な相談の乗り方について考えていきましょう。
とにかく話を聞く
まずはしっかりと相談を理解するために、とにかく話を聞きましょう。
ちょっと話を聞いただけで、
「なるほど、わかった。それはね・・・」
と自分の話やアドバイスを延々とする人がいますが、これはよろしくないです。
相手の話を促すために、
・なんでそう思ったの?
・それからどうしたの?
・具体的にはどういうこと?
・どうなったらいいと思う?
などと質問をしましょう。
他にも、
・うなずき
・あいづち
・相手の話を要約する、繰り返す
といった行動も効果的です。
一緒に整理する
こちらからアドバイスによって、何かを足す必要はありません。
相手の持っている情報を一緒に整理していくだけで状況は改善します。
状況を確認して問題のありかを探すだけで効果があります。
事実関係を思い出したり整理したりすると、状況を客観的に理解することでき、気分が落ち着いてきます。
一人の時は感情や一部の事実に対する感情が邪魔して、うまく整理できない時があるのです。
親切な人は問題そのものを解決する前に、相手が解決に向き合えるように手伝います。
相手の気持ちを確かめる
より良い解決へ進むためには、相談内容に対する相手の気持ちを確かめることが重要です。
相手の気持ちを確かめず、自分の感想や世間一般の価値基準で判断すると、相手は自分が大切にされていないように感じてしまいます。
問題解決のためには、相手のやる気が大切です。
相手のためにできることは、こちらから価値観の押し付けをするのではありません。
相手から行動できるように、動きやすい環境を整えることです。
注意点
上記で相談に乗ることについて、様々な誤解や相談のポイントをお伝えしました。
しかしそれらにも注意してほしいところはあります。
知識や経験はあって良い
相手の気持ちを大切にするという前提が守られている時、知識や経験は大きな力を発揮します。
「なくてもできる」と「あったほうが良い」は違うものです。
知識や経験の力を、相手の役に立つよう適切に活用できると良いですね。
専門家を頼った方が早いことも
こちらを頼ってきた人を突き放すのは良くないです。
しかし一方で何でもかんでもこちらで解決することはできません。
法律や医学など専門家を頼った方が早く、より良い解決につながることも多いです。
もちろん適切な専門家を探すのを手伝ってあげるのは親切になります。
まとめ
・相談に乗るのに資格はいらない
・相手を第一に考えて、気持ちに寄り添おう
・それができて初めて知識や経験は役立つ
ではまた!
コメント