良かれと思ってやったことが裏目に出る。
親切においても例外ではないことは過去の記事でも触れてきたことです。
ではなぜ裏目に出てしまうのか。
原因はあれこれと複雑です。
ただ一つには、
「親切ではないことを親切だと思い込んでしまう」
ということが挙げられます。
今回は善意からどんな親切ではない行為が行われるか、そしてそれを防ぐにはどうしたらいいか考えます。
親切心から出た親切ではない行動
まずは善意や親切心で行われる「親切ではない行為」をご紹介しましょう。
日常でよく見かけるものをピックアップしてみました。
アドバイスをする
「こうした方がいいよ」
「それは違うよ。本当はこうなんだよ」
誰もが良かれと思って相手にアドバイスをします。
100%善意です。
でも相手からすれば、
「わかってる」
「だから何?」
「今言う必要ある?」
となってしまうことも。
批評する
「お、その服いいね」
「この料理美味しいよ」
「この仕事やってくれたの?完璧だよ。すごい助かった」
このようなポジティブな批評ならまだ良いかもしれません。
問題は、
「ちょっと服の組み合わせ、おかしくない?」
「うーん、この味噌汁〇〇点かなー」
「仕事してくれたのは良いけど、ちょっと期待してたのと違うな」
と言うような一方的な評価です。
事実かもしれませんが、相手からしたら
「あなたのセンスを押し付けないでほしい」
「美味しくないなら飲まなければ良いのに」
「そこまで言うならもっと細かく指示して欲しかった」
となってしまいます。
掃除をする
基本的にはやって良いことです。
しかし、やり方を巡って揉めやすい事柄でもあります。
物の配置や扱い方をこちらの都合だけでやると、相手からすると「余計なこと」に映ってしまうでしょう。
食事を作る
相手が必要な時に作ってあげることは親切です。
問題になるのは食事のタイミングや内容。
例えば、
・夕食をたくさん食べたのに、朝から大量の食事が出る
・嫌いなものや苦手なものがたくさん入っている
・昼食と夕食が同じメニューになる
みたいなことがあると迷惑に感じることがあります。
買い物をする
「これ欲しいって言ってたな」
「もうこの洗剤無かったから買っておくか」
ついで買いは危険な行為です。
一人暮らしはいざ知らず、パートナーがいる場合には注意しなければいけません。
と言うのも、
・そもそも欲しいと言っていない
・新しい洗剤は違うものを試したい
・予算があるのについでに買ってくるのはやめてほしい
という場合があり得るからです。
ゴミを捨てる
余分なもの、いらないものを捨てるのは問題ないです。
問題になるのは
「何を基準にしてゴミとするのか」
と言うこと。
あまりよく知らないとゴミなのか価値があるものなのか判別がつきません。
「良かれと思って」を止めるブレーキ
ではこうした「良かれと思って」をどうやって止めたら良いのでしょうか。
ここでは5つのブレーキをご紹介します。
「ちょっと待てよ」とつぶやく
「こうしたら良いよな」
と思ったら声に出して、つぶやいてください。
「ちょっと待てよ」
と。そして、
「本当に必要か?」
と自分に問いかけてみてください。
ほとんどの問題は冷静になったもう一人の自分が解決してくれます。
親切が失敗する原因の多くは、
「善意で目の前が埋め尽くされてしまう」
ことで発生するのです。
相手と確認のための話をする
ストレートに確認をするのはオススメできません。
確認そのものが問い詰めているように感じられる場合があります。
「それどうしたの?」
「何かあった?」
と質問して相手から話ができるように環境を整えましょう。
感謝だけを行う
最高の安全策です。
何か言いたくなったら「ありがとう」とだけ伝えるのです。
これだけで余計なことを言う危険性は大きく減ります。
判断を先延ばしにする
その親切、本当に今やらないといけないことでしょうか。
後でやっても大して効果が変わらないなら、やらない方がいいです。
特に迷いがあるときはやめましょう。
迷うということは、何らかのリスクに気がついている状態です。
それが明確に言語化できないときはメリットを追いかけるのは危険かもしれません。
リスクを検討する
少し余裕があるのであればリスクを検討することをオススメします。
と言っても複雑な計算である必要はありません。
具体的には次のようなものです。
・その親切によって誰がどんな影響を受けるか?
・その親切をする前の状態に戻せるか?
・自分が想定したのと違う反応を相手が取るとしたら、それはどんな反応か?
リスクとは予期しない出来事が起きることです。
それは良いことも悪いこともあります。
親切をしようとするとき、良いことしか起きないと考えるのは視野が狭いです。
悪いことを想定しておくからこそ、本当に良い親切ができます。
注意点
思い込みにブレーキをかけたとしても、失敗することはあります。
そこで注意して欲しいのは次の2点です。
ブレーキは複数持とう
今回ご紹介したブレーキは単独でも効果を発揮します。
ただし複数使いこなせたら安全性は格段に向上するでしょう。
失敗したら素直に謝ろう
どんなに頑張っても予想外のことは起きます。
真心と善意で親切を行っても、なお十分ではないのです。
だから、失敗したら素直に謝るという選択肢は用意しておきましょう。
こちらが親切と思っていても、相手からはそう見えないこともあるのです。
まとめ
・善意と親切心という衝動をうまく操ろう
・そのためにはブレーキが必要
・理想は複数のブレーキが使えると良い
・それでも失敗は起きる。そのときは素直に謝ろう
ではまた!
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