「あの人はこっちが困っていても知らんぷりだった」
「普通、こういう状況なら手伝ってくれてもいいよね」
相手からの親切が期待できる状況で、思った通りに展開しないとこうした不満を抱いてしまうものです。
確かにこちらからすると相手は、
「気の利かない人」
「性格的に冷たい人」
などと見えてしまうかもしれません。
でもそうした見方は正しいのでしょうか。
今回は他人に親切ができない人の側に立って、なぜ親切ができないのか考えます。
他人に親切をできない人は冷たい?
そもそも他人に親切をできない人は、人間的に冷たいから親切ができないのでしょうか。
まずは親切をできない人について考えていきます。
本当に冷たい人は少ない
結論から言えば、本当に冷淡な性格の人というのは少ないです。
もちろん一定数いるのですが、全体から考えればごく少数になります。
なぜなら人間は周囲と協調して繁栄してきたからです。
協調しないことのメリットもありますが、それは時と場合によります。
基本的には協調して危機に当たった方が生存に有利だったはずです。
であれば本当に冷たい人というのは少なくなるのが自然でしょう。
多くの場合は冷たく見えるだけ
冷たい人が少ないのであれば、あなたの周りにいる冷たい人たちは一体何なのか。
実は多くの場合は冷たいように見えているだけなのです。
冷たさを演出するもの
では冷たさを演出しているものについて考えましょう。
大きくわけて2つあります。
一生懸命さ
人間は一生懸命になると真剣な表情になります。
それが魅力的に見えるという人もいます。
しかし一方で「怖い」「愛想がない」と見る人もいます。
わずかな状況の変化によっていずれの評価になるかが変わっているだけなのです。
周囲の期待
冷たいかどうかの判断は、期待と実際の行動の差から生まれます。
例えば、電車の中で座っている時、前に立ったのが若い学生さんだとします。
その場合はそのまま座っていても周囲から悪い印象はあまりないでしょう。
一般的な考え方として、若い人は元気だから特に配慮する必要はないというわけです。
ではこれがお年寄りや障害を持った方だったら、どうでしょう。
周囲からは、
「何でおじいちゃんに席を譲らないのか」
「身体の不自由な人なのに、座っているなんてひどい人だね」
などと思われかねません。
一生懸命だと親切ができない理由
実は一生懸命さは冷たさを演出するだけではありません。
一生懸命だと、実際に親切ができなくなってしまうのです。
どういうことか。
ここでは2つの理由についてご説明しましょう。
余裕がない
何かを一生懸命にやっていれば、当然あらゆるリソースが活用されます。
時間、能力、精神力、モノ、お金。
これらは親切をするときにも使うものです。
十分な余裕があれば親切もできるでしょうが、そうした余裕がないのです。
集中して気づかない
集中してしまうと、親切をする機会そのものに気付きにくくなってしまいます。
少しの手助けくらいならリソースがあるという人でも、相手の困りごとに気づくことができなければ、親切はできません。
注意点
人が親切をできない理由として、一生懸命さを挙げました。
もちろんそれだけでは説明できません。
また、こちらからしたら納得のできないような理由で親切にしてくれない人もいるでしょう。
そんな風に考える方には1つ注意していただきたいことがあります。
相手はこちらを満足させるために存在するわけではない
こちらに都合があるように、相手にも都合があるのです。
それぞれが独立した個人です。
人は人の持ち物ではありません。
相手はこちらを満足させるための存在では決してないのです。
他人の心情を正確に伝えてもらえない以上、仕方のないことではありますが、あたかも他人が自分のために存在しているように感じてしまいます。
そうした見方を続けていると、
「あの人は自分に良くしてくれた」
「この人は何もしてくれないからダメだな」
などと損得だけで人間を見るようになりかねません。
まとめ
・本当に冷たい人は少ない
・みんな一生懸命に生きて、他人に構う余裕がない
・余裕を作って、もっと自分にも他人にも親切をしよう
余裕を作って自分にも他人にも親切にしたいものです。
ちなみに余裕の作り方は以前の記事で書きましたので、ご参考までに。
ではまた!
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