「そんなことくらいで諦めるな」
「辛いとか言うけど、みんな辛いのは同じ」
このように世間で弱音を言うことはネガティブなこととされる場合があります。
弱音を言いたくても言えなくて、精神的にきつい人もいるでしょう。
しかし弱音は本当にいけないことなのでしょうか。
いえいえ、実は弱音には周囲の親切を引き出しやすくするというメリットがあるのです。
今回は弱音を言うことが親切をしやすい環境を作る理由と、具体的に弱音を言う方法を考えます。
弱音とは
考えを進めるにあたって、弱音について理解を深めておきましょう。
定義
まずはおなじみgoo先生に教えてもらいます。
よわ‐ね【弱音】 の解説
力のない物言い。また、意気地のない言葉。
出典:goo辞書
ついでに「意気地」も調べましょう。
いく‐じ〔‐ヂ〕【意気地】 の解説
《「いきじ」の音変化》事をやりとげようとする気力。
出典:goo辞書
つまり、
物事をやり遂げようとする気力が無い言葉
という意味の言葉だとわかりました。
事例
では続いては弱音の事例を箇条書きにしてみます。
「私には無理です」
「できそうにありません」
「やっても無駄だと思います」
「競争しても負けそうです」
「よくわかりませんが、多分失敗するでしょう」
「嫌な予感がします」
「奇跡でも起きない限り、そんな成果は上げられません」
結構出てきましたね。。
弱音の類型
事例を見てみると弱音にはいくつかのパターンがあるようです。
以下にまとめていきましょう。
不安型
「私でもちゃんとできますかね」
「失敗しそうで怖いです」
不安から来る、困惑や心配、恐怖などが言葉に反映されます。
諦め型
「どうせ私には無理だと思います」
「やっても無駄でしょう」
挑戦する前から、ネガティブな結果になると決めつけて諦めているタイプです。
疑問型
「そんなにうまい具合に進むとは信じられない」
「大丈夫という保証はあるんですか」
成功を受け入れられないために、弱気になっているパターンです。
特徴は混じっていることが多い
弱音を特徴別に分類しましたが、実際には複数の特徴が混ざっていることが多いです。
例えば「どうせ私には無理だと思います」というのは諦め型に分類しました。
しかし人によっては不安な気持ちや何かに対する疑いの気持ちが入っていることもあるでしょう。
また同じ言葉であっても、文脈によっては別の類型に当てはめることができます。
あくまでも弱音を構成する要素として、不安・諦め・疑問の3つが入っているとお考えください。
なぜ弱音が親切をしやすくするのか
ではなぜ弱音が親切をしやすい環境を作るのか。
以下に理由を挙げていきます。
他の弱音を呼ぶ
誰かが弱音を言うことで、他の人の弱音が連鎖して出てきます。
と言うのも自分が辛かったり苦しかったりしても、他にそれを言う人がいない状況ではなかなか言い出す事は難しい。
しかし誰かが言えば、「実は私も・・・」と言い出しやすくなります。
いわば弱音が弱音を呼ぶのです。
厳しい状況であればあるほど、素直な物言いは状況を反映して、他の弱音を引き出します。
助けが必要という雰囲気を作る
弱音を言える環境になれば、その場の問題、つまり困り事が現れてきます。
困り事と困っている人が明るみに出れば、それを助けようと言う雰囲気になるでしょう。
親切な人のやる気に火をつける
助けが必要となれば、黙っていられない人が出てきます。
親切な人です。笑
具体的な親切の対象や目的があれば、いや親切する余地が確実にあるということだけでも、親切な人のやる気に火をつけることでしょう。
素直に弱音を言う方法
問題はそんなに素直に弱音が言えるかということです。
こうした弱音を言えない人は多いですし、許容する文化のない組織もたくさんあります。
以下そうした弱音を言えない圧力を突破する方法をご紹介しましょう。
特定の相手に言う
どんな組織であっても、気の合う人はいます。
まずはその人に打ち明けてみるのです。
「これって、〇〇だと思うんだけど」
「あの仕事、マジでキツいよなー」
これを繰り返して味方を増やし、弱音の内容が公然と認識されるように進めます。
他人の弱音に同調する
他人がポロッとつぶやいた弱音を全力で肯定しましょう。
「わかるわかる」
「俺もそう考えてたんだよ」
相手もこちらが同じ思いを抱いているとわかれば、弱音を広めてくれるのに一役買ってくれるかもしれません。
相手の弱音を引き出す
誰しも弱音の一つや二つ持っているはずです。
特に厳しい状況で、自分がそう感じているのであれば、可能性は高いと言えます。
そこで弱音を隠し持っていそうな人に近づきましょう。
忙しい人、疲れている人、クレームや叱責を受けた人、落ち込んでいる人。
こうした人たちと雑談をするだけでも、弱音が出てきやすくなるでしょう。
注意点
困難な状況で弱音を言うことは当然のことです。
誰でも立ち向かえたり、克服できるわけではありません。
だからこそ個人が弱音を発信して、組織で困難に立ち向かうのです。
とはいえ注意いただきたいこともあります。
弱音は良いが愚痴を言うのはオススメできない
弱音と混同しやすい行為に「愚痴」があります。
愚痴とは、
ぐ‐ち【愚痴/愚×癡】 の解説
[名]言ってもしかたのないことを言って嘆くこと。
出典:goo辞書
ということで、言ったところでどうしようもないことです。
具体的には以下のようなことになります。
・問題を環境や他人のせいにして、自分が何をするか考えていない
・過去のことをいつまでも引きずる
・他人のアドバイスや提案をよく検討せずに否定する
弱音は困難な現実に立ち向かおうとするからこそ出てくるものです。
一方、愚痴は立ち向かうことをせずに、他人や環境のせいにして回避しようとする行為になります。
弱音を言うことは、困難を解決する方法が出て来れば、やり遂げることができるという事実を伝えているだけなのです。
まとめ
・弱音は困難に立ち向かっているサイン
・どんどん弱音を言うことで親切な人の協力を引き出せる
・ただし困難を避ける愚痴にはならないように気をつけよう
ではまた!
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