学校で親切を教えることはできるか

教室内。正面の壁には黒板と世界地図、机が整然と並んでいる。

こんにちは。見習い研究員のHIROです。

「親切を増やすには学校で教えれば良いのでは?」

確かに親切を学校で教えることができれば、親切がグッと増えそうです。

ただ、そんなに簡単にできることなんでしょうか。

今回は学校教育で親切を教えることについて考えます。

目次

教えることの難しさ

結論から書きますと、学校で親切を教えることは難しいと思います。

特に小中学校など義務教育では教えないほうがいいとさえ考えています。

どう教えるか

親切に再現性はありません。

他のありとあらゆる教科と違って、教えたら同じことができるとは限らないのです。

例えば国語で漢字を教えたら、理解した生徒は漢字を使うことができます。

数学で公式を教えたら、理解した生徒は足し算や掛け算、円の面積や確率など様々な問題を解くことができます。

一方の親切はどうでしょうか。

例えば電車でお年寄りに席を譲ることが最善でしょうか。周囲に障害をお持ちの方はいないでしょうか、妊婦さんはいないでしょうか。

誰に譲れば良いのでしょうか。どこまで確認すれば良いのでしょうか。

残念ながら、答えはないのです。

教材をどうするか

教え方が確立していないので教材を決めるのも難しいです。

親切な人になるのに何が効果的な教材なのか。

テキストがいいのか、動画やイラストがいいのか。

実際に親切をしてもらった方がいいのか。

手段は無数にありますが、目的地がわからないのではどれを選べばいいのかわかりません。

どう評価するか

仮に親切な人を教育する方法が見つかり、ぴったりな教材も用意できたとしましょう。

その親切さをどうやって評価するのでしょうか。

手順を決めて、その通りにできた親切は100点、1個抜けがあったら90点みたいにするんでしょうか。

例えば電車でお年寄りに席を譲るときに、声の掛け方が上手な人と緊張のためにうまく話せなかった人がいたとします。

この場合、どちらかを「優秀」とか「がんばりましょう」とか評価するのでしょうか。

どちらも「親切な人」でいいのではないでしょうか。

教科にするより必要なこと

親切を教科にして学校で子供たちに教えるより、実行した方がいいことがあります。

基礎学力の習得

現行の教科教育を徹底することです。

特に国語と算数はその子の一生を左右します。

国語のメリット

・読める
 └相手が何を言っているか理解できる
  └本や文書が読めると世の中でできることが飛躍的に増える

・書ける
 └自分のことを相手に伝えられる
  └協力したり助けてもらったりして、良い人間関係が作れる

算数のメリット

・数が数えられる
 └お金やものの数が数えられることは社会生活で必要
  └特に騙されたり損をしないために数を数えるという能力は役立つ

・計算ができる
 └近い将来を予測したり、計画を立てたりできる
  └未来のことがわかれば大きなトラブルを防ぐことができる

基礎学力をバランスよく身につけているだけで、生活する上でも職業上でも困ることは激減します。

学校では親切を教えるより、親切を行うための力を身につけることに集中したほうが、結果的には親切な人を増やすでしょう。

健康的な生活習慣

ずっと規則正しい生活をしろということではありません。

むしろ夜更かしとか徹夜とか若いうちにしかできないことはあるでしょう。

たまには大いに乱れた生活をしてください(笑)

しかし健康に大きく影響するレベルの乱れ方はオススメできません。

親切には体力が必要です。

睡眠・食事・運動。

健康的な生活習慣も一生使えるスゴイ能力です。

適度に眠って、バランスの取れた食事を摂り、しっかり運動する。

これだけで余裕を持って親切ができる程度の体力は身に付きます。

まとめ

・親切に正解はない

・評価が必要な教科として教えることは無理

・それよりもまずは普通の教育を受けてもらおう

「親切を教えれば親切な人に育つのではないか?」

そう思いたくなる気持ちはわかります。

しかし親切な人は親切だけで成り立っているわけではありません。

学業や仕事ができています。

健康で体力もあります。

もちろん絶対の条件ではありませんが、そういう人の方が親切を行いやすいでしょう。

ではまた!

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