「いつも親切な人」という期待に、どう向き合えばいいか

工場内に設置された圧力計

こんにちは。見習い研究員のHIROです。

親切をするようになると、周囲から感謝されたり、会話が増えたりします。人間関係が良好になっていくのを感じることもあるでしょう。

それはいいのですが、困るのがその後です。

やがてあなたは、親切をすることを周囲から期待され始めます。

以前親切さを利用されることについて書きましたが、それとはまた微妙に違う、この問題。

今回は周囲からの期待についてどう捉え、どう対応すればいいのか考えます。

目次

親切な人へかかる「期待」

“いつも”親切な人

親切は常習化することがあります。

特に学校や職場など、毎日同じ人たちと過ごすようになると起きやすいです。

お互いに気心が知れてくると何をすればいいかわかってきますし、親切をする方もされる方も慣れてきます。

こうして“いつも”親切な人が出来上がるのです。

周囲からの期待

期待と利用の違いは要求があるかどうかです。

利用する人は直接的です。「〇〇してくれませんか」と頼んできます。あるいはこちらが親切をせざるを得ないように、何らかの行動を起こしてきます。

一方で期待する人の行動は内心から始まります。

「〇〇してくれないかな」「〇〇だったらいいのに」

この時点では親切な人へ直接に意識は向いていないのです。

しかしやがてその願望は外側へ出始めます。

表情だったり、言動だったり、微かに表出するのです。

親切な人はこれを敏感に察知してしまいます。

セルフイメージ

親切な人の方にも期待に応えようという動機があります。

それは自分が「親切な人である」というイメージを守りたいというものです。

「もっと親切をしたい」と思う人もいますし、「不親切な人だと思われたくない」と思う人もいるでしょう。

自分のイメージとして強固であればあるほど、これを崩してしまうことに抵抗があるのが普通です。

過去との比較

もう一つ、親切な人が気にするのが過去との比較です。

前はやっていたのに、なぜ今度はできないのか。

ここに合理的な理由があればいいのですが、その合理的の中身が問題です。

「合理的=実施不可能である証明ができる」

これが親切な人が持ちがちな合理性の基準です。

つまりこれ以外は全て合理的ではないので、心の中で却下されます。

疲れたとか面倒くさいとか、やりたくないとかではダメなのです。

期待の問題点

ではこうした期待の構造にどんな問題点があるのでしょうか。

無理をさせる

察しがついているかも知れませんが、期待にすべて応えようとしたらどこかで無理が生じます。

できることには限りがあります。

能力的に何でもできるわけではないですし、体力にも限界があります。

親切は義務ではないのです。

無理のない範囲で行うことが原則です。

期待が大きくなる

親切な人が期待に応えてくれ続ければ、当然期待する方も今後もこの状態が続くと予想します。

その時に「だんだん少なくなるだろうな」とか「同じような感じで続くのかな」と予想すれば、まだいいのです。

問題は「あれをやってくれたのだから、これもやってくれるかも」と期待が大きくなる場合です。

期待が大きくなることがよくないのは、親切な人へ過度な負担をさせることだけではありません。

勝手にハードルを上げることによって、それに応えられない場合にガッカリしてしまうことです。

もちろん論理的に考えれば、期待した方の都合であり思い込みなのですが、ガッカリしたというネガティブな感情は本物です。

その本物の感情が態度や言動に現れて、親切な人にプレッシャーをかけることになります。

常に不安を感じる

今度は親切な人側に視点を移してみましょう。

親切を行う側からすると過度な期待は負担以外の何者でもありません。

これまでやってきたことでも満足していないことが態度で伝わると、一時的には頑張れても、やがてこれ以上どうすればいいのかわからなくなります。

そうなると「これでいいのだろうか」「なぜできないのか」という不安がやってきます。

この不安の厄介なところは、最初はとても小さいという点です。

無視できてしまうのです。

「まあ何か引っかかるけど、喜んでくれてるし、助けになったみたいだからいいか」

そして突然壁にぶつかったときに、一気に膨れ上がるのです。

こうなると親切をした満足感や充実感よりも、「何か足りないところがあったのでは」という不安の方が大きくなってしまいます。

しかもやめるという選択肢を取った場合「この不安が大きくなるのではないか」という不安から、行動を変化させることが難しくなるのです。

期待と強制を混同してしまう

周囲の期待を強く感じれば、そうしなければいけないこと、つまり強制と混同しやすくなります。

周囲のシグナルが強い場合もありますが、多くは親切な人の過剰な配慮や考えすぎです。

直線的に「みんなが期待しているからやらなきゃいけない」と思い込んでしまうのです。

期待への対応策

では周囲の期待という圧力の前に、親切な人はなすすべがないのでしょうか。

そんなことはありません。

では以下親切な人の期待への向き合い方をご説明しましょう。

徐々に減らす

本当に親切な人は何にでも応えることはしません。

やりすぎは干渉になりますし、自分のリソースを過剰に分け与えることで自分を蔑ろにしてしまいます。

もし期待が高まっているのであれば、あえて親切を減らし期待を徐々に減らしていきます。

ここで重要なのは、あらかじめ親切をする側が意思を持ってそれを通そうとすることです。

事前に決めておけば、自分自身の批判をかわすのも簡単になるでしょう。

助けを求める

自分一人で全て解決しようとすると、どうしても辛かったり不安になったりします。

ぜひ周囲の人を頼りましょう。

親切をするあなた、親切をしてもらう周囲という構造を変えるのです。

その方法はとても簡単です。

他の人にお願いすればいいのです。

親切な人は相手を見るのも上手いですから、相手がどういうことであれば引き受けてくれるのか、少なくとも当たりをつけることができます。

基準を決める

親切の内容や回数についてあらかじめ自分なりの基準を設けておきます。

これによって無理なく親切を継続することができます。

また自分が何のために親切を行うのか考えることで、不安を感じることなく、自信を持って親切ができるようになるはずです。

まとめ

・周囲の期待は強力な圧力になり得る

・期待は親切な人を追い詰める

・期待に向き合って、より良い状態を目指そう!

親切によって周囲が期待してしまうのは、ある意味仕方のないことです。

頼れる人が現れたときに、その人に頼る方が簡単かつ安全ということは大いにあり得ます。

そんな状態になったときに「だから親切なんてしない!」ではなく、どうすれば自分も周囲も良くなるのか向き合ってみてはいかがでしょうか。

ではまた!

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