こんにちは。見習い研究員のHIROです。
自己犠牲は親切ではないとお伝え続けていますが、親切な人ほど自分の予定や都合を後回しにしがちです。
短期的には成果を上げるかもしれませんが、長期的には自分のリソースを大きく損なうことで、却って親切をすることができなくなります。
今回は親切な人にこそ実践して欲しい交渉術について解説します。
親切な人ほど相手に譲る
なぜ親切な人はさしたる交渉もせず、相手に合わせてしまうのでしょうか。
自己犠牲の精神
自分と相手の利害がぶつかった時、親切な人は自分を犠牲にして相手を優先させることが多い。
考えられる一因が、心理的・行動的傾向の影響です。
自分が譲れば、物事がうまくいく。成功のためには、自分が犠牲になれば良い。
簡単に言えば「自己犠牲の精神」を持っているのです。
自己犠牲の精神を獲得した経緯は人それぞれでしょうが、一度持ってしまうとなかなか変えることが難しい。
譲ることが最適解
単純に自分が譲ることが全体最適になる場合もあります。
例えば相手の状況と自分の状況を比較し、相手にやってもらうよりも自分がやった方が生産性が高いということは大いにありえる話です。そこで自分の利益を主張しても意味はありません。
しかし、毎回そうした状況になるということがあり得るでしょうか。
簡単だから譲る
特に検討することなく、反射的に譲歩する。
これも親切な人にありがちな行動です。
考える時間が節約できますし、最適な場合だろうと自己犠牲になる場合だろうと気にしなくて済むからです。
頼まれたら引き受ける。
このシンプルな行動原理を使っている親切な人は多いでしょう。
相手の都合に合わせる不都合
もちろんそうした方法には問題があります。
親切な人はその問題から目を背けているか、問題を小さく考えすぎています。
時間の管理ができない
相手からの要望を引き受け続けたら、間違いなく時間が足りなくなります。
無限のリソースがあれば良いのですが、そんなことはあり得ません。
どこかで線引きをしなくてはいけないのです。
ベストな選択でない可能性
そもそも親切な人が譲歩することが、果たして最適解なのでしょうか。
「いや、自分が譲れば丸く収まるんだ」という人の根拠の大半は曖昧なものです。
確かに自己犠牲は尊いです。自分の利益を放棄して、相手に尽くす人は多くありません。
しかし立派な心根を持つことと良い結果を出すことは別の問題です。
他の人への親切ができない
自分のリソースを先着順で受け渡していたら、本当に重要なことができなくなる恐れがあります。
どうでもいいことであなたという貴重な資源を浪費してはいけません。
誰にでも親切にしたいという平等の精神は素敵ですが、助けを必要としている人の状況は平等ではない以上、それぞれに適切な対応をとることが重要です。
交渉でお互いに得をしよう
ではどうしたらより最適な親切ができるか。
交渉です。
相手と自分の状況を伝えながら、より良い行動を編み出していくのです。
余裕を持とう
まずは余裕を作りましょう。
具体的には期限を多めにもらうのです。時間がかかる親切ほど、実際の期限は先であることが多いです。そうしたものは「すぐやるよ」ではなく「いつまでにやればいい?」と聞いてください。
気兼ねするかもしれませんが、急いでいれば相手もそれを伝えてきます。
無駄に急ぎ仕事にしないことが大切です。
より良い選択肢はある
すぐに親切の内容を決めないようにしましょう。
その場で思いついたことが、必ずしも正解というわけではありません。
自分が検討していない要素がないか確認しましょう。
情報を伝え合おう
意外なことですが、親切な人ほど相手の状況を確認していません。
それは相手に質問することが、疑念を呈することだと思っているからです。
要するに「私はあなたのことを信じてますよ」というのを伝えるために、あえて質問をしないのです。
しかし冷静に考えてみましょう。相手から質問されても、やましいことがなければ何を気にする必要があるでしょうか。
言いたくない個人的な事情などであれば、言いたくないと伝えればいいのです。
むしろ積極的に質問をして確認すべきです。
なぜやらなければいけないのか、相手や自分でなくてはいけないのか、他に方法はないのか、期限はいつまでなのか。
またこちらの情報を開示することも大切です。特に他の案件を抱えている時であれば、正直に伝えるべきです。それによって相手のプランも適切なものに変更されます。
何も伝えなければ、相手は相手の都合であなたを想定することになりかねません。
それはお互いにとって不幸です。
親切をするような間柄であれば、情報は伝え合いましょう。
まとめ
親切な人は、相手のいうことを聞くだけの人ではありません。
自分の意思で相手や周囲、そして自分を良くしようとする人です。
今回の記事が、親切をしてるけれど何だか苦しい・辛いという人の助けになれば幸いです。
ではまた!
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