こんにちは。見習い研究員のHIROです。
以前ビジネスに親切を活かそうという記事を書きました。
今日はこの記事を発展させて、ビジネスで親切を活用したらどうなるか考えてみました。
親切と経営的利益は合致するか
道徳的な視点
見返りを求めて親切をするなど、親切ではない。
そういう意見は根強いようです。
もちろん親切をした後に何か要求したり、期待するのは違う気がします。
しかし一切の見返りを得ない親切は、果たして存在するのでしょうか。
そもそも親切をすると自分の気分が良くなります。
相手も感謝の気持ちや嬉しさを覚え、笑顔や感謝の言葉をかけてくれます。
またあなたの親切を見た第三者があなたへの評価を高め、あなたの知らないところで便宜を図ってくれるかもしれません。
つまり何らかの親切を行なった時点で、全く何も変化や評価に晒されないなど、原理的に不可能なのです。
見返りを求めないのは個人の自由ですが、見返りが一切ないというのはあり得ません。
適切な親切には、必ず何らかの見返りが存在します。
なので正確には「見返りを覚悟して行うのが親切」と言えるでしょう。
経営的な視点
次に経営的な視点で親切を捉えてみましょう。
見返りを期待しての行為ではないので、親切から直接に金銭的な利益は得られません。
親切に対してお金を取れば、それはただのサービスや商品の提供という商取引です。
このためビジネスに親切を取り入れましょうと言っても、経営者からすれば「それでどれくらい利益が出るのか」と思ってやりたがらないでしょう。
一方で親切は顧客に対して良い印象や企業に対して期待を持たせることができます。
親切を通じて顧客の信頼を勝ち取れば、自社のお得意様となって繰り返し購入をしてくれたり、他の顧客へ口コミやショッピングサイトなどで良い評判を広めてくれたりします。
つまり間接的にであれば親切を利益に変えることは可能なのです。
ビジネスで親切が活用されるとは
やや複雑に書きましたが、要するに顧客を大切にしようとすれば、自然と親切をすることになります。
そして親切を意識的に行えば、企業も顧客も両方とも利益を得ることができるということです。
ではどんな事例が考えられるでしょうか。
親切な従業員
従業員の態度や提供するサービスは、そのまま顧客の満足度や信頼につながります。
ただし従業員ができることには限界があります。時間を無限にかけられるわけではありませんし、物質的なリソースも極めて限られています。
一方、できることもたくさんあります。
気持ちの良い接客態度、顧客の困りごとを解決しようとする姿勢、顧客の求めるものを提供できるだけの商品知識。
利益を守りながらの範囲でも、顧客にできる親切はあります。
このことを知った上で親切を実践していけば、長期的には計り知れない利益を得られるでしょう。
親切なサービス
顧客の方から見て「こうしてほしいな」と思うことは、意外と行われないものです。
理由は簡単で、お金にならないからです。
逆を言えば、利益になるくらいコストを引き下げたり、他のサービスで埋め合わせをできるような仕組みを作れば、親切なサービスを顧客に提供することが可能になります。
また過去失敗した取り組みであっても、時間が経過して状況が変われば成功することがあります。
例えば30年前にリアルタイムでの宅配サービス可能なスーパーマーケットというのは実現困難でした。
様々な企業が挑みましたが、注文受付からピッキング、梱包、配送、集金をスムーズに行う仕組みが確立できなかったのです。
今は地域は限られていますが、IT技術の進歩でほぼリアルタイムに近いところまで実現できています。
これによって重い荷物を運ぶのが難しい高齢者や忙しい会社員も、不便なくスーパーで生活用品や食料など買い物をすることが可能になりました。
親切な製品
同じカテゴリーの製品でも親切な製品とそうでないものがあります。
親切な製品は、以下のような特徴があります。
直感的に操作がわかる、故障しにくく長く使える、効果が大きく使いやすい、事故や怪我が起きないように設計されている。
もちろん製品に求めるものは人によって違いますが、親切な製品はそうした要求の違いを超えて、期待以上の価値を提供してくれるものです。
また製品そのものではないですが、取扱説明書も親切の塊と言っても良いものでしょう。
使い方や困ったときの解決方法など、非常にわかりやすく書いてあります。
ただ一般的にこうした製品を作るには、開発にコストと時間がかかります。
そのため「それができたら良いけど、資金がなくて」「開発する時間なんてない」という発想にとらわれがちです。
日常の親切と同じようにできるところから考えて、小さく実行していけば良いのでしょうが、製品は設計やコンセプトなどは上流工程で決まる部分が大きいのでなかなか難しいのが現実です。
まとめ
一言でまとめれば親切はビジネスにおいて、既に活用されています。
良い企業、良いサービス、良い製品は全て親切を活用して出来ていると言っても過言ではないでしょう。
無理のない範囲で価値を提供し、顧客の困りごとを解決する。
相手をみて、相手のために行うという意味ではビジネスも親切も同じですね。
今回は企業と顧客という視点で書きましたが、実際には企業と企業という視点もありますし、企業と社会という視点もあります。
まあその辺りは、また今度ということで。
今日はここまで。ではまた。
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