人を助けたいと思った時、
「どこまで手伝えば良いのか」
「どれくらいやれば大丈夫なのか」
などと思ったことはありませんか。
確かに親切にしたい気持ちはあるものの、自分も抱えているタスクがあったりすると、なかなか親切を行動に移すことができないかもしれません。
今回はそうした微妙な気持ちを乗り越えて、親切をするための考え方をご紹介します。
なぜ判断することは難しいのか
ではどうして親切をするかどうかの判断が難しいのか、考えてみましょう。
優先順位がつけられない
私たちは親切を含め、様々な行動の選択肢を持っています。
明確な行動基準があれば良いのですが、多くの人はそれを保つことができません。
なぜなら大切なものというのは、時と場合によって変化するからです。
変化しない価値というものもあります。
例えば自分の命。
でもそれはどの行動にも関わってくるもので、優先順位をつけるときの判断材料としては役に立たないです。
お互いの状況が不透明
最適な親切を行うには、相手と自分の状況がわかっていればいるほど精度が高まります。
判断に迷うのは状況がお互いに不透明な時です。
例えば、
・相手がどこまで手伝ってほしいと考えているのか
・相手はどの程度困っているのか
と同時に、
・自分はどこまで手伝ってもいいと考えているのか
・自分はどの程度なら親切にしたいのか
がわかっていれば、お互いにとって良い行動が取れるでしょう。
しかし実際にはこれらが明らかになることは多くありません。
遠慮したり伝えたくなかったり、様々な理由で隠されたままになってしまうのです。
ベストじゃないと損した気持ちに
何となく「こうした方がいいかな」というのが見えていても、親切をためらう時があります。
確信が持てないからです。
自分の行動がベストでないと、損をしたような気になります。
「あの時こうしていれば」
「ああしていたら、もっと良い結果に」
気持ちはわかりますが、それができればそもそも迷いは生まれません。
にもかかわらず、この現実に向き合うことのつらさに耐えかねて、決定を先延ばしてしまうのです。
解決策
難しい判断が必要になったときにどうすれば良いのでしょうか。
完璧な方法をあらかじめ用意することはできません。
しかし、いくつかの指針を定めておくことで状況に対応しやすくなります。
迷ったらしない
迷いを感じたら、親切はしない。
シンプルなルールですが、次のような効果があります。
・やったことによる後悔を減らせる
・親切のための時間や労力を節約できる
・状況の変化を見極めやすくなる
やらなかったことによる後悔はもちろんあり得ますが、迷って時間やリソースを浪費するよりは良いです。
また状況が判断できしだい、必要な親切については行うので実際のデメリットはさらに小さいくなることが期待できます。
すぐやる
思いついたら、すぐ実行する。
やってダメそうならすぐ止める。
この2つの手順を守るだけで、判断は不要になります。
実際に親切を行うことで状況の確認と同時進行させるのです。
ポイントは深入りしないこと。
時間や労力が多くかかりそうだと判断できたら、すぐに止めるのです。
なので始める前には
「ちょっとで良いなら手伝うよ」
「10分しか付き合えないけど大丈夫?」
などと声をかけましょう。
最後までやる
とにかく全て引き受け、最後まで実行します。
判断は不要ですが、リソースは大量に消費されるかもしれません。
しかし親切の中には学びや訓練につながるものも多いです。
長い目で見ると、それらによって成長した結果、リソースの節約や増大に結びつく可能性もあるでしょう。
親切を通じて自分が成長し、もっと多くの親切ができるという点では非常に魅力的な方法です。
注意点
指針を定めることは役に立ちますが、デメリットもあります。
ここでは2つに絞ってご説明しましょう。
細やかな対応には不向き
指針は大雑把なものです。
すでに書いてきている通り、ある程度の損失を割り切ることが前提になっています。
そのため「もっと細かく対応すればうまくいくのに」と思う場面が増えてくるかもしれません。
指針を守りきれない
判断をしなくていいということは、判断ができないということでもあります。
指針がうまくいかない場面が続くと、指針そのものに疑問を保つようになるかもしれません。
つまり指針を守りきれなくなるのです。
結果として「まあ今回はいいか」と例外的な対応を取ることになります。
それで満足すればいいのですが、自分が判断した責任を自分で取ることになりますので、「どうしたらいいのか」と振り出しに戻ることに。
どの程度の損失であれば、耐えられるのかは常に考えておく必要があるでしょう。
まとめ
・親切をしようとしたら迷う場面は必ずある
・指針を決めておけば対応しやすい
・しかし損失に耐えて、指針を守り切れるかはまた別の問題
ではまた!
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