こんにちは。見習い研究員のHIROです。
親切をしていると周囲から、
「あの人に教えても無駄だよ」
「こっちでやって方が早いのでは」
と言われることがあります。
要するに「できない人に親切をしても不毛」というわけです。
今回は「親切にする人を選んだ方がいいのか」問題について考えます。
状況の定義
まずはどんな状況なのか整理しましょう。
できない人
できないにも色々ありますが、ここでは次のような状況の人を指します。
・何回教えても理解できない
・昨日教えてやってもらったことが、今日もできない
・同じミスを繰り返す
・何事も自分で考えられない
親切
この場合の親切とは、できない状況へのケアです。
・何度でも教えてあげる
・今日できない理由を一緒に考えて対処する
・ミスは許す
・教えるときに具体的な理由を伝える
不毛
ここは毎度お馴染みgoo先生に聞いてみましょう。
なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。「―な議論」
出典:goo辞書,https://dictionary.goo.ne.jp/word/不毛/#jn-194723
つまり表題の問題提起で使われている「不毛」は、
・なぜ、教えてもできない人に親切をするのか?
・親切をするリソースで他に効果的なことができるのではないか?
という意味を含んだ言葉になります。
なぜ不毛なのか
ではなぜ不毛と考えられてしまうのか、理由を解説しましょう。
成長まで時間がかかる
できない人が成長するまでには時間がかかることが予想されます。
もし、すぐに成長できるのであれば、その人が「できない」というレッテルを貼られることはなかったはずです。
確かに成長には個人差があります。
1回で覚える人もいれば10回やってもダメという人もいます。
またこちらが何か言わなくても、自分で調べたり復習したりして努力で解決する人もいます。
そうした「できる」人たちと比較したら、できない人たちに教えることは苦労ばかりで利益が少ないと考えるのも無理はないでしょう。
効果が不確実
親切に教えてあげても効果が保証されているわけではありません。
何度教えてもダメということはあります。
いくら許しても反省しない人もいるでしょう。
親切にしたところで、その人ができるようになるとは限らないのです。
自分でやった方が早い
仕事や学業においては期限というものがあります。
特に仕事では締め切りを守らないことは大きな問題になりかねません。
というのも大抵の仕事は個人や一部署で完結するわけではなく、複数の部署や企業に関係しています。
どこかでリレーが途切れることは、仕事全体が危機に晒されることになるわけです。
であれば、できない人を待つことは極めて危険なこと。
結果として親切などせずに、自分でさっさとやったほうが良いと考えてしまいます。
問題点
確かにできない人への親切は効果がない、あるいは薄いように見えがちです。
では、できない人は親切などせずに放置すれば良いのでしょうか。
答えはNOです。問題があります。
解決策にならない
この方法は以下の前提がないと上手くいきません。
・人の交換が可能
・人の交換コストより人の再教育コストが低い
つまり、
・簡単にクビにできる、追い出せる
・採用のコストが低い、もしくは新人の教育コストが低い
これが成り立たないのであれば、結局は次の問題が起きてしまいます。
・できない人が職場やクラスにいつまでも残る
・周囲の人たちの負担が重いままの状態が続く
要するに、
親切を回避するだけでは、問題は何も解決しない
ということです。
自分が犠牲になる
「できない人は何をやってもできない」と決めてかかると、他の可能性を自ら閉ざすことになってしまいます。
そして次のような流れにハマってしまうのです。
- ①できないと決めつける
- ②自分で対応する
- ③一時的に解決する
- ④別の仕事がやってくる
- ⑤やっぱり自分で対応する
- ⑥負荷が重くなってくる
- ⑦自分の手に追えなくなる
- ⑧問題が大きくなってしまう
その仕事があなたの担当でないのに背負い込んだら、いつか潰れます。
そしてこれは親切な人もやりがちなことなのです。
この場合の本当の親切とは代わりにやってあげることではなく、できない人ができるように一緒に工夫してあげることでしょう。
まとめ
・できない人は確かにいる
・しかし、できない人のせいにしては何も変わらない
・自分から状況を変えていこう!
言うは易く、行うは難し。
実際にはできる人ほどできない人の気持ちや状況が理解できず、「どうしたら良いのか」となってしまいがちです。
その辺りもおいおいお伝えできればと思います。
ではまた!
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